このコーナーを見てくださっている受験生の方がたくさんいるようで、メールもちょくちょくいただいているので、科目別に勉強方法をまとめてみることにしました。軌跡はあまりまとまっていなくて読むのに時間がかかるけれど、こちらは最後まで読めば全体の流れが分かると思います。また読んだ人からは、頑張る気になった等のコメントをもらっているので、時間があったら是非読んでいただけるとうれしいです。
※この方法は僕が実践して成功した方法であり、この通りにやれば同じように成績が上がっていくことは保障されません。しかし、自分の志望校、自分の得意不得意などを考えて参考にすればきっと効果は現れると思います!!
東大を受験する方なら、ぜひとも 新・受験技法【和田秀樹著】 を読むといいと思います。もし東大を受験しなくても、どうやってプランを組めばいいのかのヒントは得られると思います。簡単に説明すると、自分が受ける大学・学部の合格最低点は毎年大きく変動することはない⇔毎年同じくらいのレベルの問題が出る。そこで、あらかじめどの科目で何点稼ぐというのを決めておくのである。どこまでやれば何点取れるという保障は何にもないけれど、全ての科目で満点を狙いにいく必要はないので、ここまでやると決めて勉強できるので闇雲な勉強をしなくなり、受かるべくして受かる受験が出来るとのこと。しかし、それ以上に紹介されている参考書に良いものが多いです。ぼくのサイトでは、ぼくがいいと思ったものを書いていますが、多数がこの本で紹介されていたものです。
科目数が多くなればなるほど、全ての科目をきっちり勉強するのはムリになってくるはずです。そして多くに手を出しすぎて間に合わないまま試験を迎える。よくある話です。巷では、不得意な部分をなくしていくことが大事とよく言われます。ぼくも国語がとても不得意で、国語を勉強しろと言われたり、自分で頑張って勉強してみようと思ったときもありました。しかし、受験生になるまでの5年間不得意だった科目は、これから伸びる可能性はあるにせよ、やはり不得意には変わりないわけで、伸びの期待値は少ないはずです。だからと言って捨て科目にするのは早いです。言ってることが矛盾してると思われるかもしれないけど、各科目の難易度が均等な試験を出してくる大学などありません。例えば、東大なら5.5割くらいの点数を取れば合格すると言われています。難しいといわれている数学では点を稼ぎにくい一方で、理科は教科書から大きく踏み出さない範囲の問題しか出ません。つまり東大を受ける場合は、苦手だからといって理科を捨ててしまうと、他の科目で挽回がしにくいために可能性を狭めてしまう可能性が高い、ということです。
得意科目と不得意科目という意識は誰でも持ってると思います。たいてい好きな科目は得意で・・・という人が多いかもしれませんが、好きだけど苦手という科目を持つ人もいるかもしれません。長い時間受験勉強をすることを考えると「好き」な科目は飽きが来にくいので、それだけでいいことだったりします。ぼくも数学がものすごい得意ってわけじゃなかったけど好きだったので数学の勉強時間が一番多くなり、最終的には他のどの科目もかなわないくらい得意になっていました。逆に理科は得意だったけどあまり好きではなく、あまり伸びなかったという経緯もあったりします。頭の中で考えていてもまとまらないので、ノートなどに得意科目と不得意科目を分けて書いてみましょう。そして、さらに細かく見ていきます。
数学はどの分野も密につながっていると言えます。あえて言えば数3Cが独立してる感じです。ということは、数3Cが苦手でもそれ以外をきっちり勉強していればある程度の点数は稼げるはずだし、逆でもある程度はとれるということになります。とは言え、数3Cばかり出してくる大学だったらやらざるを得ないですし、逆もまた然りです。そして、さらに自分で考えて苦手な部分を見つけていきます。数学で点数を稼ごうとするならば、苦手な部分をつぶした方が点数が上がります。数3ばかりやるのとベクトルばかりやるのでは訳が違うということです。
英語は分野という概念がないですが、問題には決まった型があります。長文読解、文法、英作文、リスニングといった感じに大きく分けられます。ある程度の基礎力は必要かと思いますが、リスニングと英作文は単体で勉強しても伸びていくと思います。そして、長文読解のように長い時間対策をしなくとも効率よく点数が稼げるようになるはずです。文法と長文読解はつながっていると思いますが、私立なら文法をおろそかにすることは出来ないと思いますし、その辺は自分で分析した志望校の問題と照らし合わせて考えると良いです。
理科は分野ごとに分けて勉強が出来ます。物理は力学が分かっていれば他の分野は単独に勉強できます。化学は理論が分かっていれば、無機と有機も単独に勉強できるといったところです。
国立理系受験者にとってのセンター社会、または国立文系受験者にとってのセンター理科は2次に影響する率を考え必要最低限にとどめるようにしましょう。理系なら常識である程度とける現代社会を選択し、ほとんどノー勉強で臨むということだってありえるといえます。逆に、それくらいのものなのでここはそこまで真剣に悩むことなく、決めたらてきとーにこなしておきましょう。※医学部を受ける方はきっちりやらないといけないと思います
僕の場合だと、高3が始まった頃の予定で、数学70点、理科90点、英語60点、国語30点で250点を目標に勉強することにした。国語がとにかく苦手だったので、英語で足を引っ張らないようにして、数理で稼ごうという感じです。
ぼくが東大を受けた2003年の前の年、数学はものすごい簡単な問題が出た。反動で難化するだろうという意見が多かったが、SEGという理数系に特化した塾に通っていたため数学を得点源にしようと考えていた。数学は70点(120点満点で大問1問が20点)を目標にすることにした。
SEGは理系クラスにも文系がたくさんいるという背景があり、数3はあまり扱わないという授業だったため、 大学への数学(黒本)ⅢC で3Cをやっていくことにした。この本の特徴は、応用問題が少なく一つの問題で一つのパターンを学ぶことが出来るという点だ。数3はパターンを多く知ってしまえばあまり苦労しないという背景があるので、このような本は混乱せず色々なパターンに触れることが出来て良いと思う。12ABはそこまでパターンを知る必要はないと思ったが、月刊大数の日々の演習に一通り目を通したことでそれなりに触れた気はする。基本的にSEGのテキストで勉強したが、月刊大数は学力コンテストを含め毎月やるのをオススメする。学力コンテストの問題を考え出すと周りが気にならなくなるので授業中にやるのもオススメ~。
直前期は自分で問題を見つけて演習するしかなくなるのだが、やはり過去問が一番であると言えます。といっても、この時期まで過去問をやらずにとっておけというわけではなく、過去問は積極的に勉強に使うのが良いです。その大学の問題の特徴を知ることが出来るし、問題集の問題より優れていることが多いですし。東大の場合、過去問の他に模試の過去問なるものも売っていて、出来れば全部買い揃えてやることをオススメします。必ず伸びます!!以下、模試過去問です。
過去問は、赤本、青本などありますが、数学に関して言うなら 鉄緑会東大数学問題集 がダントツにおすすめです。20年もの過去問が載っているだけでなく、解説も赤本等より格段に丁寧で別解も豊富です。値段は高いけれど、きっとそれに見合う価値のある問題集だと思います。塾、予備校に通っていると東大の問題を解く機会は多いと思うので、赤本をやろうとすると結構かぶってしまってたりしますが、20年分あると違う年から適当に6問ずつ拾い集めて試験っぽく出来るのでいいです。問題演習をするときは、分かっているならば大学の解答用紙に合うような紙を自分で作るなりしてやるのがいいと思います。ぼくはB5の計算用紙片面に1問を解いていました。分かりやすく簡潔に解答を作成するのも勉強です。
英語は60点(120点満点)を目指しました。アバウトに分けると、要約・文法が30点、英作文が30点、リスニングが30点、長文読解が30点くらいだと予想されます。英語はあんまし得意じゃなかったので、比較的短時間で対策できそうな英作文とリスニングで20点くらいずつ稼ぎ、その他で20点稼ぐような感じで勉強しました。
入試のリスニングではおぞましいレベルの問題は出ないと思われる(というのは勝手な推測)ので習うより慣れよっていう感じで勉強しました。といっても、英作文のトレーニングをちょっとやってみてこりゃダメだと思ったからです。受験向けに出されているリスニング本で良著を聞かないけれど、一般向けに英会話とかの本がたくさんでてるのでそっちで十分だと思います。これだけで十分と言えるくらい良いと思ったのは、 ニュース英語のリスニング 基礎編(DHC) という本です。実際のニュースを、約150語/分と約220語/分の2パターンで聞き取り練習が出来る教材です。東大リスニングだと150語/分が聞き取れれば十分なのだけど、頑張って220語/分も聞き取れるようになるのをオススメします。そうすれば入試リスニングは聞きながら考えるくらいになれるはず!!男性と女性が半々くらいで話しているので、本番でどっちが来ても平気かと。
英作文はZ会の通信添削QEB(英作文演習コース)をやっていた。予習問題とかはやらなくてもいーと思うけど、とりあえず受講しておいてあとでまとめてやるとか何でもいいからオススメのコースです。レベルもそんなに高くないです。多少東大の英作文に焦点をあてている感もあるけれど。
文法に関してはやらなかったに等しいのですが、読解でこれはっ!と思ったのが 英文読解の透視図(研究社) という本です。僕にとってレベルはかなり高かったのですが、知らないことがたくさん書いてありかなり実力がつきました。証拠に、これをやるまで学校でやってたセンター過去問演習が150点前後だったのに、これをやった後は190点前後がコンスタントに取れるようになりました。センター対策としては難しすぎるけど、センター対策にもなったってことでした。
物理は比較的得意だったので50点を目標にすることにしました。高3が始まる頃に既に基礎力はあると思ったので、 難問題の系統とその解き方物理(通称難系) をやることにしました。東大は力学、電磁気、その他(波動、原子、熱力学等)の3問が毎年出ているので、まずは力学、電磁気を固めることに。と、そこまでは良かったんだけど、その他の分野が難系は難しすぎて全然ダメだったんでSEGのノート等を参考にして頑張りました。原子に関してはSEGの授業は意味不明過ぎたので物理のエッセンスを買いました。物理のエッセンスがなんと簡単に思えたことか・・・というか、SEGでやった原子物理の授業は東大の教養前期にやったどの授業より難しいんですよ・・・とにかく、物理はとことんやるしかないです。とはいえ難系は高々150問。それを全部こなせるようになれば心配要らないと思います!!分からないところをエッセンス使ってやるという方法も悪くないと思います。
化学は得意じゃなかったけど、東大化学はそこまで難しくないと聞き40点を目指すことに。中でも有機は稼ぎどころといううわさがあったので、まずは有機をやることに。新研究とかに手を出してしまったが、 有機化学演習(駿台文庫) が無難でオススメです。これを2,3回やればたいていの問題は解けるはず。化学Ⅱの範囲は更にZ会のQCBコースもやったりした。軌跡を見れば分かるのだけど、物理に時間をとられすぎて化学は全然間に合わなかったのだよねぇ・・・というか、思ったより分量が多かったというか。有機はそれほど難しくないけれど分量は多いので注意!!
無機化学は照井式をやったりもしたけれど、あれは学校の定期テストの域を出ないので受験には向かないかなと思います。基本から始まって丁寧に解説されているのが、 原点からの化学シリーズ 無機化学(駿台文庫) という参考書。化学の奥深くまで学べない高校生はどうしても暗記が増えてしまいがちだけど、これはなるべく暗記が少なくなるようなスタンスで書いてあるし、分量がそこまで多いわけではないけど無機がもれなく網羅されているという感じの良著。これを2,3度繰り返し問題演習に入れば結構いけると思います。
高3始めからムリです・・・と諦めていた科目なのだけど、古文と漢文はセンターと同じくらいのレベルしか出ないといわれていたので、そこだけ対策してみる。とは言え、勉強して実力がついたと思うのは、 漢文早覚え速答法 と マドンナ古文単語 くらいのもんです。それ以外はちんぷんかんぷんでした。実際、漢文は東大プレで一度満点をとっているし、捨ててるけど一応勉強しておこう的な考えの人にはオススメの参考書。漢文早覚えは、漢文を始めたばかりの人にもオススメします。
多分個人的には全く興味がわかなかったせいで、なかなか頭に入らなかった。。 倫理ノート(山川出版社) と センターへの道(山川出版社) をやった。倫理ノートだけでいい気もするけど、てきとーに覚えているとすぐ混乱するのが社会なのでセンターへの道は問題演習という意味もかねて最後にちょこっとやるのがいい気がします。が、多分もっとうまいこと勉強している人がたくさんいるはずなので、社会については参考にしないほうが吉かも。一応センターで86点取れたので、網羅はしているんだと思います。