引退後、外国に移住して暮らしたい。そう思われている人は割といるんじゃないでしょうか。
しかし、上手くいかないケースもあり、これは意外とやってみるまで気づかない人もいるのかも?と思ったので書いてみました。実際にあった話をまとめています。
何が問題となりうるのか、そうならないためにはどうしたら良いのか、を書きました。
老後海外移住のモチベーション
なぜ老後に海外移住をするのでしょうか?多くの場合、モチベーションは、このような感じだと思います。
- 物価の安い国に住めば、年金が相対的に高価値になるから。
- 年中温暖な気候の国でのんびりしたいから。
とても良さそうに見えます😃
何が問題になるのか?
「海外慣れてない問題」一言で言ってしまえばこれだけなのですが、問題の本質はそこから派生する心理的な部分なのです。どういうことか説明します。
言語問題
(英語と仮定して話を進めます)
生活をしていると、どうしても英語を話さないといけない場面があります。
- タクシー内など1:1で細かなやり取りをする時 (配車アプリも英語なのだ!)
- 病院へ行ったり、薬局へ行ったりした時
- ネットがつながらなくなった、電気が止まった、などトラブル時
例えばこのような場合です。買い物や食事ならば、会話なしでも基本大丈夫です。実際のところ80%くらいの場面では英語なしでも問題ないのですが、「重要な場所においてしばしば避けられない」のと「不要だったとしても何かを聞かれるのは避けられない」のです。
とはいえ、現在はスマートフォンもインターネットも発達しているので、問題ないように見えます🤔
問題の本質は言語それ自体ではなく、「英語を話さないといけない場面に遭遇するかもしれないから、外出を控えよう」という思考になってしまうことなのです。
旅行で1ヶ月滞在とかなら良いですが、 外出を控えたいと思ってしまう場所で何年何十年も暮らすのは不可能です。
外出せずに買い物をしたり食事を注文したりすることは容易ですが、それだけでは長期の生活は続けられないのです。
英語を勉強すれば良いのでは? という正論もあるのですが、実際のところ仕事を引退した年代の方が1から英語を学ぶのはなかなか大変なのでは、と想像します🧐 若い人でもそんなに簡単なことではないですし。
食べ物問題
日本を出ると、どうしてもさっぱりした食べ物が少なく、平均的にヘビーな食べ物を口にする機会が多くなります。東南アジアのご飯は、オイリーな物が多いです。また、とても辛かったり、クセが強かったり、日本国内の食べ物に比べるとどうしても攻撃力が高めです。
「美味しい」と思って食べられれば良いのですが、なかなか年金をもらう年齢まで日本の味に親しんでこられた方が、いきなり味覚を変えるのは難しいこともあるようです🙁 旅行で何日か連続で食べるくらいなら美味しかったんだけど、住み始めたら結構キツかった、というパターンです。
実は、日本食は海外でも人気があるので、日本料理を毎日食べることはあまり難しくはないです。しかし、高いのです。現地の食べ物に比べればもちろん高いですし、日本人感覚だと「この値段でこのクオリティ…😑」となりがちです。(日本食を食べたいなら日本に住むのがベストです)
他にもウェスタンな食べ物を食べれば良いかもしれないですが、ローカルではない食べ物は相対的に値段が高い傾向にあります。
また、安いレストランはちょっと衛生面で心配なことがあったりもします。お腹下したりもします🤐
そうなると、せっかく物価の安い国に住んだのに、食費がかさむということになってしまいます💸
友達出来ない問題
言語と食べ物に関連するのですが、言葉が話せない or 食べ物を受け付けない、という状態になると友達を作るのが極端に難しくなるようです。
問題の本質は友達が出来ないことではなく、「日本には友達はたくさんいるのに、ここでは友達がいない」と思ってしまうことです。
つまり、余計につまらないと感じてしまうのです😢
どうすれば良いのか?
若いうちに色々な国へ行ってみる。これに尽きると思います。将来移住してみようという気があるなら、視察は必須です✈️
一口に「東南アジア」と言っても、国ごとに文化も食べ物も全然違います。
仕事をしない前提なら、食べ物・住環境・衛生状態をよくチェックしておくと良いと思います🕵🏻♀️
また、ざっくりとした生活コストや住宅コストを見ておくと良いかもしれません。
会話問題への対策
現地で生活する前に、日本での日常生活で検証することが出来ます。外出時に他人から開始された会話を「これは必要」「これは不要」と分類し、不可避な会話がどの程度あるのかを把握するという方法です。
意外と、これは必要だなということがあることに気づきます。同時に、これくらいの内容なら定型文を覚えるくらいでなんとかなるかも?と思えるかもしれません。
1日ではなく長期的に観察しようと意識を少し向ければ、厳密でなくても傾向がつかめるはずです。
食べ物問題への対策
これも日本での生活で検証可能です。単純に、普段何をどれくらい食べているか?の把握をします。
ある程度の傾向がわかったら、日本食はどれくらい食べているか?仮に日本食を0にしてもストレスは発生しないか?どの料理(食材)がないと困るか、などをを検討します。
特に問題なさそうであれば、殆どの国で大丈夫そうです。もし問題があれば、目的の国をそれに合わせて絞り込むと良さそうです。
マレーシアやタイなど、日本人が多く暮らしている場所を選ぶと、日本の食材が入手しやすかったり、和食のレストランが多かったりするので、食べ物問題は小さく出来るかもしれません。
お気に入りの食材や調味料が現地で調達出来ない場合は、帰国のタイミングで大量購入して自分で運ぶなどでクリアできます。
友達問題への対策
自分で参加したことがないためあまり詳しく書けないのですが、英語が話せない前提であれば、現地の日本人コミュニティに参加するのが良いと思います。アジアの国の首都には大体存在するようです。
移住前でもコンタクトを取ってみれば、自分の知らなかった情報を得られるかもしれませんし、何人か知人がいる状態で住み始められるかもしれません。
ビザは?
年金生活者のような安定収入がある非労働者は、どの国も欲しがっています。 雇用を奪わず消費を増やしてくれるので、メリットのほうが大きからです 。
このため、50,60歳以上になると長期ビザは比較的容易&安価に取れる国が多いようです。当面はあまり心配しなくて良さそうです。
生活費は?
個人的には、この部分が結構ネックになるのではと思っています。
日本人の収入は、相対的に世界からみてどんどん低くなっていますが、アジア内で見れば依然として比較的高いと言えると思います。しかし、東南アジアの国がこのまま経済成長すると、 30年後に今のような収入水準の差があるかどうかは疑問が残ります🤔
「日本人から見た東南アジア」は年々高価になっているのです。
かと言って、早期からその国の不動産や株を買うなども違う気がするので、資産運用と移住国は分けて考え、移住先の選択肢をいくつか残しておくのが理想的なのではないかと思います。
引退までは給与所得があるわけなので、そこまで問題ではないと思います。その時点で物価が上がりすぎていたら目的地を変更すればよいのですから。
リスクは、その後の物価の上昇リスクです。
年金は定額でもらえるので、移住先の国が物価高もしくはその通貨に対して円が安くなると、相対的に使えるお金が減ります。
つまり、「いかに安い暮らしで満足できるか」が大事といえそうです。
「この値段でこの値段の家に住めるなら、ちょっといい家に住んでみようかな」と思ってしまいがちなのですが、これは結構リスクがあります。計算上問題なければいいですが、出来れば止めたほうが良さそうです。とはいえ、不動産を購入済みならインフレで売却益が出ますし、賃貸ならば引っ越せば良いだけなので、実質的にはそこまでリスクないかもしれません。
先日僕が作った FIRE Calculator で計算すると、ざっくり試算できます。いかに生活費の影響力が大きいか分かります😮
日本のほうが安くなれば日本に戻ってくれば良いだけなんですけどね。しかし、現在の年齢の2倍になった時に自分がどう考えるか?は99%の人にとって予測不可能だと思うので、今考えているように簡単に戻ってこられるかはまた別の話です。
注意点⚠️
海外旅行の注意点として、一番危ないのは近寄ってくる日本人という言葉があります。悪意を持って近づいてくる人もいるので、ヤバそうと思ったら関わらない方が良いです🙅
困っている人にとっては、普段なら騙されないような話にも乗ってしまうことがあるので気をつけて下さい。
まとめ
ここまで読んだ人は、これなら日本でいいや。と思う人も多いのではないでしょうか?
実はその気持ちこそが大事です。「生活費が安いから移住しよう」などの曖昧な理由で行くと、行かなければ良かったとなってしまうケースもあると思います。
逆に、そのくらいなら行ってみるか、と思った人は早めに行ってみるのをオススメします。行ける時に行かないと、行けなくなるかもしれないです😐
迷いがあるのなら、コストはかかってしまいますが、日本の住環境はキープしつつ、2,3ヶ月お試しで住んでみてからでも遅くはないと思います。
若い人には、将来そういう選択肢を選べる状況を作っておくのは、リスク低減には役立つと思います。つまらなそうと思ったらやらなければ良いだけのことなので。少なくとも今はまだ相対的に日本より安いので、試しやすいというのもあります。
- 海外移住後にメンタル的な問題が出てくると大変なので、老後を検討してるなら早めに試してみるのをオススメします。
- 老後海外移住を検討していたら、色々な国を見てまわるのはもちろん、多少快適ではない環境で過ごして海外慣れしておくと役に立つはずです。
最後に、旅は良いものです😉