攻殻機動隊 SAC_2045 を Netflix で観た。まとまった時間を取って一気に観たいなと思ってたら、公開されてから結構時間が経ってしまった。完結してると思いこんで観てたら急に終わってびっくりした。続きが気になる。
未来の話だけど、どちらかというと昔のシリーズを思い出して懐かしい感じが強い。ミーハーなので、攻殻機動隊からすごく影響を受けてプログラマーになった。結果としては良かったなと思ってる。
2005年にも、攻殻機動隊について書いてたのが見つかった。そういえば、その頃から 東大で光学迷彩作ってた方がいましたね。
2005年を思い出してみると、僕は大学生で生物を勉強したのだけれど、大学に入るまでは生物を全然勉強していなかったので、色々なことが新鮮だった。なんだかんだあるけれど、東大の進振りは割といい制度だったなと思う。
脳科学が面白いなと思って授業を受けたりしていたが、脳というか生物って割とデジタルなんだなということを知り、段々と興味が薄れてきた。生物ってとても神秘的なモノだけれど、恐らく近い将来にかなりのことが分かりそうだなと、無知な学生ながらに思っていた。攻殻機動隊の「電脳化」も、割と近い未来に実現されそうと思ってた。
それは難しいことで、長い時間がかかるけれど、生きている間には色々な事を知れそう。今回のコロナのことで、今は全然そんなことは思っていないけれど。
SAC_2045 に話を戻すと、まだ正直良くわからないという感想。期待して待つ🙄
全世界同時デフォルトとは…
全世界同時デフォルトとは、言葉的にも良くわからない状態なんだが、現代貨幣理論 が頭から離れなくなってしまった。MMT現代貨幣理論入門 (Amazon) を最近読んだからかもしれないが。
(僕は経済"学"は興味本位で本を読む程度なので、現代貨幣理論の正しさについて特に意見はない。このことに限らず"正しさ"とは他人に強制しない限り、主観で解釈すれば良いと思っている)
現代貨幣理論 によると、自国通貨を発行することが出来る政府はデフォルトに陥ることがない。とされている。 通貨は、政府が税金を収めるために使うことが出来ると定めていることにより価値が担保されている。というのが MMT の基本部分だと思っている。日本に住んでいると、政府が自国の通貨を発行しているという状態が当たり前なので、この状態がよく理解できない。
しかし、色々な国を旅行していた記憶をつなぎ合わせたら、なんとなく言わんとしてることは分かる気がする。
例えばこんな感じ。
EU
EU内の政府はユーロによって税金を徴収するため、各政府は「自国通貨」を発行することが出来ない。国債を発行するのはかなり大変なのでは、と思う。ちょうど昨日ユーロがすごく上がってたのだけど、ヨーロッパ中央銀行が資産買い入れると発表したため、とあった。資産買い入れが具体的に何を指しているかよく分からなかったが、恐らく各国が国債を大量に発行して政府支出を増やして、民間貯蓄を生み出すという意味だったのだろうか🤔
カンボジア
USDを実質的な自国通貨として使っている国もある。
カンボジアではカンボジアリエルという自国通貨もあるが、実質的に使われているのはUSDだ。ほぼドルベッグで、4100カンボジアリエル=1USDとなっており、1ドル以上ではUSDが使われ、1ドル未満ではカンボジアリエルが使われている。1000カンボジアリエルが25セントの扱いになる。正直とてもややこしい。
ただ、この歪みによって、カンボジアの銀行では米ドルによる定期預金の金利が6%とかついたりしている。ほぼカンボジアのデフォルトリスクのプレミアムだと思うけど、カンボジアに何度か行って見た限りでは、しばらくは順調に発展して行きそうな雰囲気。実際、近年の東南アジアでのGDP成長率は常にトップに近いらしい。
とは言え、4100カンボジアリエルが1USDというのはどのような根拠による運営なのかよくわからない。カンボジアのインフレ率が20%で政策金利もおそらく10%前後だろうから、カンボジアリエル自体の価値はどんどん下がっていくと思うのだけど🤔 謎である。
香港
香港には政府もあるし香港ドルという通貨もある。しかし、香港には中央銀行はないのだ。
香港ドルはどのように発行されているのだろうか?
香港ドルは、HSBC, スタンダードチャータード銀行, 中国銀行(香港) の3つの銀行が発行している。民間企業が自由に法定通貨を発行できては困るので、発行する香港ドルと同等の米ドルを保有することが条件となっているらしい。金本位制みたいなものだ。なので、香港ドルはざっくりドルベッグである。
このシステムは理にかなっているようだけど、USDを保有すれば同等のHKDを発行できるということは、単純に考えれば銀行がUSDを得た分だけ世界中で貨幣の価値が目減りするようなものだ。もちろんこうはならず、通常の政府でいえば債券を発行するのに近い気がする。
そういえば、攻殻機動隊シリーズといえば香港ですよね。香港はかなり頻繁に行っているけれど、あんまりカオスな場所がなくなってきた印象。物価が上がりすぎて、あんまり変なものを残しておけなくなったのかもしれない。一方で、上がりすぎた物価のせいで、日本人感覚だとクオリティと値段が釣り合ってなさすぎて、その違和感は悪くないかも。
日本は?
日本は流通量が多い日本円を日本の中央銀行が発行できる。つまり、MMTによると「デフォルトしない政府」になる。日本円で税金を払いたい人(払いたい人などいないが、税金を払うために日本円が欲しい人)が存在する限り、日本円の価値は保たれるということだ。
今回のコロナショックのような金融危機が起きたとき、国債発行や自国通貨の発行がコントロール出来る政府というのは問題への対処のしやすさが全然違うなと思った。給付金や補助金を政府が支出しまくったとしても、政府からしたらそれを税金で後から取り戻す必要性もあまりなさそうである。
この作品はコロナ前に作られたものなので関係ないが、最近のマーケットがバグってるのを見ている感じ、MMTを支持するのであれば辻褄はあってるかなという気もしている。
Sustainable War とは
これは今の所よく分からなかったが、この後の話でなにかあるのかも。戦争という単語はなかなか受け入れ難いもので、ただの設定や世界観としてもすっと入っていけるものではないのである。続きに期待。
これまた作品が出来たあとにコロナが来たので関係はないのだが、戦争になった時の事を考えざるを得ない。
過去の世界大戦の時は、そもそも国をまたいだ移動の難易度が今よりも遥かに高かった。おそらく一般人では国境をまたぐことなど殆どできなかったのではないかと思う。よって、いざ戦争が起きた、もしくは起きそう、となっても避難などは不可能だったのではないだろうか。
一方、今はかなりの人が飛行機に乗って国境をまたぐ事ができる。もしなにか起きたら安全な国へ移動すればよいのではないか?と漠然と思っていた。しかし、今回のコロナで飛行機は突如世界中で全てストップした。移動したくても一切出来ないのだ。
もし戦争の当事国になったら、恐らく逃避することはほぼ不可能と考えた方が良さそうだ。当事国の国民でなくても、たまたま当事国にいたら避難出来ないという可能性も高そうである。
平和を祈ることしか出来ないが、戦争にはなってほしくない。戦争については歴史で勉強したことを、当事国の博物館で見て感じたこともあり、どこかで書いてみたい。
サステイナブルつながりで、最近観たマイケル・ムーアさんの Planet of the Humans を思い出した。長くなったので、別の記事で書いてみよう🙄