SIM通信の期間制限とは
国によって、国外の端末にローカルSIMを入れた場合、○ヶ月以上経つと使えなくなる。ということがある(らしい)。大体の期限がビザなし滞在可能な1,3,6ヶ月辺りに設定されていて、ようは住むなら旅行者のような扱いはしないということのようだ。
仕組み
どうやってそんなことを実現してるのか謎だったが、最近ようやく仕組みが予想出来た。
iPhone でローカルSIMを入れずに日本SIMを入れっぱなしにして外国に行ってモバイルネットワークを使わなかったとしても、キャリア側からは電波を受信させた時点で IMEI (International Mobile Equipment Identifier) が把握できるようだ。IMEI は、端末1台1台に割り振られた世界で唯一の識別番号のことだ。
SMS受信のために日本のSIMを入れっぱなしにしていた iPhone に某国政府から SMS が送られてきていて、90日間以上つなぐ場合は関税を払う必要がある、と言われた。その SMS には IMEI が記載されていて、確かに自分の iPhone の IMEI と一致している。
IMEI は簡単に調べられて *#06#
にコールすると画面に表示できる。
IMEI はフォーマットが決まっていて、トータル15桁の数字で
{機種や製造元が先頭8桁}-{機種のシリアル番号6桁}-{チェックデジット1桁}
がフォーマットのようだ。先頭8桁見れば、どこの何のデバイス判定出来る。そのデータベースがパブリックなものかは不明だが。
こんな感じで、SIMカード単位ではなくて端末単位で通信を制限する事が可能。という仕組みのようだ。
制限がある国にそこまで長く滞在したことが無いが、恐らく端末を複数台所持していれば、1台を電源入れずに期限まで持っておいて、1台目が切れた時点から2台目という風にすれば使うことは出来そう。ただ、その制限が関税のポリシーによるものだった場合は現地の法律違反になる可能性があるので、見極めは難しそうだ。殆どの国でそういうポリシーはないと思うけれど🙄
プライバシー
つまり、いかなる SIM を入れていても、モバイルネットワークにつながった瞬間に物理デバイスの位置がある程度特定されてしまうということだ。物理デバイスとリアルの人格は、デバイスのメーカーやキャリアなら把握できているので、いくら位置情報を切ったり VPN を経由したりしても、SIM 入れてたらあまり意味ないということになりそう。まぁ、デバイスメーカーからしたら、やろうと思えば何の情報でも取れるわけなのだが…
電源オフだから通信していないとも言い切れないし、SIM 入れてなければ通信しないとも言い切れないが、SIM 使う用途がなければ外しておいた方が無難かもしれない。
技術的には、盗難された端末の位置を数kmくらいのレベルで位置を特定することは出来そう。IMEI を入れて調べられるWebサイトも多々あるようだが、信用出来るサイトか不明なので何とも。一応それを共有するデータベースもあるようだが、特殊なツールで IMEI を変更することも出来るようなので微妙なところだ。