ジムの閉鎖で運動の限界効用が高まる

COVID-19 でずっとジムが閉まっていたけれど、最近再開して毎日ジムに行ってる。

以前も頻繁に行っていたけれど、特に運動したからといって特に何も感じていなかった。しかし、長らく運動していない状態が続いたあとに運動を再開したら、明らかに違いが分かる。体も軽くなるし、脳もよく働く。あと運動していなくて外に出てないと1日何も食べなくても全然お腹が空かないけれど、運動するとちゃんとお腹が空くようになる。

限界効用逓減の法則

経済学では限界効用逓減の法則として知られているけれど、1単位の追加によって得られる効用は総量が増えるにつれ逓減していく。

これは身の回りの多くのことについて当てはまる。当たり前にあるものや、特に苦労せずにアクセスが可能なものは、限界効用がほとんど無くなっている。

運動も似たようなもので、当たり前に運動が出来る環境で運動出来ていれば特に何も感じることはないが、いざ運動が出来なって時間が経ったあとに運動が出来るようになると、限界効用が高まって当然だ。

パンデミックの最中はロックダウンで数週間の間外出が出来なかったり、隔離で部屋からも出られないという経験もしたけれど、そうなると外の空気を吸ったり外を歩いたりすることの限界効用が恐ろしく高まった。

他にも、初めて海外旅行に行ったときは限界効用が非常に高いかもしれないが、何度も行っていると限界効用はだんだん低くなってくる、など一般的には未だ手に入れたことがないことに対しての文脈で説明される事が多い。

限界効用は意図的に高められる

限界効用は逓減していくと分かっているのだから、その状況を変えてしまえば意図的に高められる。

例えば、引っ越しをした最初の数週間は近所でも未知のことばかりで、知らないお店やレストランに毎日足を運ぶこともできてとても楽しめるかもしれない。しかし、しばらく経つと良い場所は限られていて、何もかもが楽しいということはなくなってしまう。

この限界効用を楽しむのが旅行だ。

未知の場所もしくは既知だが日常を過ごしていない場所、なので一層楽しむことが出来る。

レストランに行くのも同じで、いつもと違った体験が出来るので、食事をより楽しめる。普段食べられない料理が食べられると、なお限界効用が高まる。

これを意識して環境を少し変えてみると、限界効用は高められそうだ。

家を持たずにホテル暮らしをしている人がいるが(自分もそうだが)、そういう人はこの辺りを理解して環境を作っている人が多そうだ。例えば2週間毎に住む街を変えたら、引っ越し直後の新鮮な感覚をずっと持ち続ける事ができる。

駅を変える、街を変える、地方を変える、国を変える… とこの限界効用も高めやすい。

地方が変われば、出汁も違うし、寿司の魚も違うし、うなぎの食感も違う。国が変われば言うまでもないだろう。

足りない状況を必然的に作る

日本にいたらあまり気づかないが、堅牢なインフラ、遅れない公共交通機関、汚染されていない空気、飲める水道水、夜でも安全な街中… 日本にいたら当たり前だが、世界を見ればその環境が揃っている都市はそこまで多くはない。

整備が行き届いていない国の活気や忙しさはそれはそれで楽しいが、日本にあったものがなくなると良さに気付かされる。

このような環境を行き来すると、どっちも限界効用を高く保ったまま楽しむことが出来る。と思う。

冒頭の運動については出来るなら欠かさないほうが良いに決まっているだろうが、例えば勉強であったり料理や趣味であっても、同様のことが言える。

様々な物事はトレードオフだが、このように考えていれば、捨てる側も躊躇なく捨てられる。一度捨ててしまい、不要なままだったらそれで結構だし、もし後から非常に欲しくなったときには限界効用が非常に高まっているので以前よりむしろ価値が高まるかもしれないからだ。


様々なものを捨てたりするのが一時期流行っていたが、見方を変えれば捨てることが大してネガティブではなくなるはず。限界効用逓減の無限ループから抜け出すのは簡単かもしれない😎