引きこもって働く人々に会った(インドアなパターン)

自分の想像できないものは、理解することも難しい。

「引きこもって働く人々」に会った頃は考え方や価値観がよく理解できていなかったが、今なら分かる。会った人たちが特殊だったわけではなく、1つの方法しか知らなかった自分が特殊だったのだ。

築地の寿司屋で会ったオーストラリア人

覚えている限りで一番最初に会った人だと思う。築地のお寿司屋さんでたまたま隣に座ったオーストラリア人だ。お互い1人だったので、何となく会話が始まった。彼も僕と同じソフトウェアエンジニアだった。会社を辞めて旅行中で、最終的には 東ヨーロッパ へ移住して自分のプロジェクトをすると言っていた。

僕も旅行が好きだったので旅行の話は結構盛り上がったのだが、移住の辺りはあまり理解できなかった。旅行が終わったらオーストラリアに戻れば良いのでは?と聞いたが、オーストラリアは物価が高いんだ。君もどこでも働けるんだから、無理して東京に住まなくても良いんじゃない? みたいなことを言われた。

1ヶ月単位で外国に滞在したことは何度かあったけど、住むとかは考えたことがなかった。尤も、その頃は東ヨーロッパの物価がどれだけ安いかなんて全く知らなかったのだけれど。チェコとかハンガリーに行った時は、想像してたよりだいぶ安いなぁ、とは思っていた程度。

ザグレブで会ったセルビア人

クロアチアの首都ザグレブ、個人的にはバランスが最高で世界でパーフェクトに近い街のうちの一つだ。ここに入り浸っていた頃、イベントでザグレブに来たというセルビア人の イラストレーター に会った。彼は絵を描いていて、イベントで自分の作品を売りに来たらしい。

普段何してるの?って聞いたら、普段は田舎の家に引きこもって絵を描くのをネットで配信したり作品を送ったりして、パトロンから少しづつお金をもらって生活してる と言ってた。片田舎だから月€300あれば十分らしい。まずそれにびっくりした。とはいえ、月収5万円なら外で働いてもう少し稼いだほうが良くない?と聞いてみた。(絵については素人なのだが、彼の絵を見てとても魅力的だと思ったからだ🖼)

確かに収入は増えるけど、家で絵を描いて生活できてるならそっちの方が良いと思わないか?と言われた。確かにそんな気もする。

ザグレブで会ったクロアチア人

ザグレブで会ったクロアチア人のミュージシャン。自宅で音楽を作って生活している。でもあんまり稼げないからたまにデザインの仕事もしてる。

一見大変そうだけど、そもそもクロアチアって国内に十分な仕事がなくて、仕事があるドイツ等で働く人が多いらしい。給料が低かったとしても、自国内で仕事が見つかるなら、外国なんて行きたくないという人が多いんだそうだ。

その前提を考えると、自分1人で完結したビジネスが出来てる時点でかなりいいなと思った。

ご存知かもしれないが、クロアチアは今年3月に大地震があって、ザグレブは街が壊滅的だ😢

彼の家も崩れちゃって地元に戻ったらしい。ただ幸いにもヨーロッパでもコロナへの対策はベストな国のうちの1つだったようだ。すぐ西にイタリアがあったりで、そもそもEUではないから国境をまたいだ移動は出来ないのではないかと思う。そのような状況で、家に引きこもって曲を作って稼げるだけ良かったよと言ってた。早く状況が良くなってほしい😔

ズレニャニンで会ったセルビア人

セルビア第6の街ズレニャニン、多分ほとんどの日本人が人生の中で訪れることはないんじゃないかってくらいの小さな街だ。40℃に迫る暑い日、オープンカフェで仕事していた👨‍💻

しばらく仕事をしていたら、突然外から入ってきた人にいきなり話しかけられるイベントが発生した。オレはずっとこの街に住んでるけど、カフェでラップトップで仕事してる人間を見たのは初めてだ。一体何してるんだ?と聞かれた🙎🏼‍♂️

僕はソフトウェアエンジニアで、今プログラミングをしてるんだ、と言った。どうも彼もソフトウェアエンジニアということが分かり、しばらく話した。彼も以前は大都市で働いていたのだが、今は地元に戻ってきて自分で好きなソフトウェアを作って暮らしているという。 GitHub 見たらかなり高い技術レベルのエンジニアだった。

何で地元に戻ってきたのか聞いたら、単純にのんびりした場所に戻ってきたくなったんだそうだ。確かにめちゃめちゃのんびりした場所ではあった。その時は失礼ながら、この街に戻ってきて退屈じゃないのかな?という気はした。なぜなら、本当に何もない小さな街だったからだ。

イスタンブールで会ったモンゴル人

アジアとヨーロッパの中間地点イスタンブール。底抜けにフレンドリーなトルコ人を訪ねてしばらく滞在してたときのことだ。ご飯食べていたら、外歩いてた人にハローとか言って連れてきた。友達?って聞くと、いや初対面だって。よく考えたら、僕も彼に初めて会った時こんな感じだったなと思い出した🤷

彼女は元々はアメリカで働いてたデザイナーで、お金が貯まったから会社を辞めて世界中を旅行していて、その後モンゴルに帰って自分でビジネスをするんだと言ってた。

その時はあんまり詳しく聞かなかったが、後から彼女はヴィーガンで、ヴィーガンフード通販かカフェをウランバートルでやるということを知った。僕もその時ヴィーガンだったので、結構色々聞いた🥑

昔両国にあるモンゴル料理屋さんに行ったことがあって、やたらヘビーで肉肉しかったイメージしかなかったんだけど、と聞いたら実際そんな感じらしい。そもそもヴィーガンなんているの?って聞いたが、まぁ上手くいかなかったらとしてもいいんだよ、みたいなこと言ってた。

あとになって分かること

恐らく、後半2人は既にFIREしてる気がする。お金を稼がなくても死ぬことはないが、自分がやりたいことをやってるんだっていう状態🧑‍💻👩‍💻

オーストラリア人のエンジニアはいわゆるデジタルノマドだったのだろうと思った。その単語を知ったのは相当あとのことだが👨‍💻 なお、その後デジタルノマドの人にはかなり会った。エンジニア、デザイナー、ライターの人にとってはかなり一般的な働き方になりつつあるのかもしれない。

イラストレーターとミュージシャンの彼らはかなり理想的な状態だと思う。好きなことで生計を立てていること自体が理想的という意味ではなく、その価値観のことだ。既に目先や将来の心配をしなくて良い心理状態を手に入れて、好きなことにフォーカス出来ているのは理想的だと思う。生活費は誰でもどうしても必要だが、どれくらいあれば安心できるかは人それぞれだからだ。

僕が知る人たちの印象では、旧ユーゴスラビア圏の人の価値観って内戦の影響で今この瞬間にかなりフォーカスしてると思う。(そのうち別の記事を書きたい)

彼らのようなFIREでもノマドでもない 理想的引きこもり状態 を何ていうのだろう?🧑🏻‍🎨🧑🏻‍🎤

引きこもる能力

これらの、「引きこもって働く能力を持った人」の共通点はハイスキルなことだ✍🏻 何らかの要因で人より多い時間それをしたのだろう。

同時に、「引きこもって働きたい人」にもたくさん会った。そのときに分かったこともある。これは次の投稿にまとめた。

いいねと思う人もいれば、そんなの嫌だよって思う人もいる。それがライフスタイルで面白いところだ。

↓続きです。

引きこもって働く人々に会った(ソーシャルなパターン)
自分の住みたい場所を選んで働く人々がいます。インドアな仕事で場所を選ぶ人もいれば、ソーシャルな仕事で場所を選ぶ人もいます。ここでは、ソーシャルな仕事でそれを実現している人たちのパターンをいくつか書きました。

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