Zero-knowledge
Zero-Knowledge なクラウドストレージを試してみた。Zero-knowledge とはファイルをクライアント(スマホやPC)側で暗号化してクラウドストレージに保存するというもので、サービス提供者ですらファイルの中身を見ることが出来ない。セキュリティが高いので安心して使うことが出来る。
Zero-knowledge は、 End-to-end encryption(a.k.a E2EE) と同じと思って良い。サーバ側で復号が不可能で、クライアントしかデータが見られないような状態が担保されているという意味だ。
マルチデバイスで途中で一切の復号が行われないという意味で E2EE かもしれないが、鍵交換が行われるわけではないので区別してそういう呼び方してるんだろうと思う。 Zero-knowledge ってクラウドストレージ以外で聞いたこと無い気がする。
他にも、 No knowledge や Client-side encryption とか色々な言い方があるが、クラウドストレージに限って言えば全部同じと思って大丈夫。
運営企業の国籍
ずっと SpiderOak One を使っていたけれど、US企業である以上は絶対安全とは言い切れず(政府的には通信傍聴出来ない E2EE を廃止したいようなので)、ファイブアイズ 以外の国籍の企業がより安全と言える。ファイブアイズで日本が6国目になるかもというニュースが去年出ていたが、対等な立場で加入出来るとはあまり思えない。そうなって欲しい気持ちはあるが。
ファイブアイズ外のサービス
tresorit
- スイス企業
- GDPR に準拠
- クライアント側のファイルシステム上に常にファイルを持つ
- (クライアント側の容量は食うがファイルへのアクセスは通常ファイルと同じ速度で行える)
- 全てのファイルが暗号化される
年払いの場合の料金は個人用途とビジネス用途で異なり、2021年1月11日現在
- 個人
- 5GB まで 無料
- 500GB まで 10.42USD/月
- 2,500GB まで 24USD/月
- ビジネス
- 1TB まで 14.50USD/月
- 2TB まで 19.17USD/月
- それ以上 24USD/月
となっている。
pCloud
- スイス企業
- GDPR に準拠
- サーバのファイルシステムをネットワークマウントして使う
- (クライアント側のディスク容量を食わないが、データアクセスはインターネットを介するのでファイルサイズによっては遅い)
- 暗号化は有料オプションで、暗号化領域のみ暗号化される。
料金は年払いとLifetime一括払い(サービス終了までずっと使える)があり、2021年1月11日現在
- 500 GB まで
- 47.88USD/年
- 175USD/Lifetime
- 2TB まで
- 95.88USD/年
- 350USD/Lifetime
が基本料金で、暗号化オプションは
- 47.88USD/年
- 125USD/Lifetime
となっている。
tresorit と pCloud の比較
大きな違いはファイルアクセスの仕組みの違いで、用途によってメリット・デメリットが異なる。
普段良く使うファイルを保存したい場合は、ファイル自体はローカルに存在する tresorit の方が良い。ファイルアクセスは通常のローカルファイルと同じ速さで、特に気にすることなく使える。
大きなファイルのバックアップ用途として使いたい場合は、pCloud の方が良い。ネットワークドライブをマウントして使うので、ローカルの容量を圧迫しない。pCloud に移したらローカルのファイルを消せば、ディスク容量を節約できる。
料金としては、ほとんどのケースで pCloud の方が安くなる。無料 5GB 内で使うならば tresorit でも良いかもしれない。
pCloud も無料で試せるので、使ってみてから決めることが出来る。
ファイブアイズ内のサービス
ファイブアイズを気にしないなら、コスパの良い下記のようなサービスもある。 SpiderOak One は6年くらい使ってたけど、特に問題は起きなかった。クライアント側の容量よりもサーバ側で計算されてた容量の方が多かったけれど。
SpiderOak One
- アメリカ企業
- 150GB : 6USD/月
- 400GB : 11USD/月
- 2TB : 14USD/月
- 5TB: 29USD/月
sync.com
- カナダ企業
- 2TB : 8USD/月
- 3TB : 10USD/月
- 4TB : 15USD/月
icedrive
- イギリス企業
- 1TB : 4USD/月
- 5TB : 17.99USD/月
- ※ Lifetime プランがある