Bitcoinがカオスだった2015年頃の記憶

2015年頃に何らかの形で仮想通貨を所有していた人たちは、あーあれのことか(笑) となるんじゃないでしょうか😅 へー、そんなこともあったのね、くらいで読んでもらえると嬉しいです。

当時の仮想通貨の印象

タイトルに Bitcoin と書いたが、話は Ethereum からはじまる。Ethereum でブロックチェーン上で処理を実装出来るというのを知り、これは面白そうと思ってホイホイ Solidity を勉強し始めたのだ。

ブロックチェーンの技術自体には興味が湧いたものの、Bitcoin のブロックチェーン上で出来ることは少なそうだったので、Bitcoin 自体にはあまり興味が出なかった。

ただ、「通貨」としては Bitcoin の方がはるかに利用価値が高かったので、 Bitcoin でサーバリソースを買ったり、ドメインを買ったりして遊んでみたが、そもそもの貨幣価値としての流通量が少なすぎて、通貨に変わるという感じはしてなかった。(今でも法定通貨に変わる未来がくるのはイメージできてない)

Ethereum の実際のネットワーク上で何かを動かす時、Ethereum 自体が必要になったのだが、当時 Etherum が気軽に買える場所ってなかったと思う。調べていると、自分でマイニングすれば Ethereum が手に入るということを知り、自分でもやってみた。今から思うとアホすぎるのだが自分だけで掘れるはずもなく、たまたまクラウドマイニングというものを見つけた🙄

雲行きが怪しくなってきましたね👽

注意点

誤解のないよう、また現在誠実にサービスを運営されている方々の迷惑にならないよう、注意点を書いておきます。

  • 2015年当時は、仮想通貨に関する法律がない無法地帯でした。
  • 当時の一部のサービスについてのみの言及です。
  • 最近の仮想通貨に関する状況は全く知りません。
  • これから始める場合、迷ったらリンディー効果に従うのが良いのではないでしょうか。(10年存在したパン屋さんはこの先の10年も存在する可能性が高い)
  • 一部フィクションです。

クラウドマイニング

上記のような経緯があったため、クラウドマイニングとは非常に理にかなったサービスであり、自分でもAWSなどクラウドコンピューティングは当たり前に使うので、何の疑問も持たずにハッシュパワーを購入した。実際にマイニングが行われているかどうかなど疑いもせず…☠️

HYIP Scam だらけ

始めは AWS のように、所定の CPU or GPU 計算能力時間に対してお金を払っているのかと思い、どこも大差ないだろうと思っていたが、割と色々なサービスがあり、調べてみるとハッシュレートや採掘される通貨量がかなり異なる。当時は世界中でも今ほどのハッシュレートにはなっていなかったので、統計的な期待値から多少外れる採掘量を叩き出していてもあまり疑問には思わなかった。(ソフトウェアやインフラの最適化をすれば無くはないのかな?くらいの認識)

だが、出来てすぐ潰れたりしているサービスを見たり、海外のサイトで調べていたら、これは HYIP と呼ばれる典型的な詐欺手法ということが分かった。

一般的に HYIP とは、年利100% とか、1日1%の利益、とかやたら高いリターンを謳う投資詐欺プログラムのことだ。もし単純にこれを投資プログラムとして見ていたら、これは詐欺だ!って思っていただろうが、そもそもが Ethereum をマイニングしたいという目的で探していたため、自分でマイニングした場合との比較で、無くはないかな?くらいの認識だった。

(こんなの誰が引っかかるんだよと思いますよね、僕です😇)

新たな問題となったのは、確実に HYIP だというのは分かるようになったとしても、絶対安全と言いきれるかどうかは別の話ということだ。

(運良く?)僕が契約したサービスからは、Etherum や Bitcoin が払い出されていた。後から詐欺だったことが分かったところもあった💸当初の目的は、 Ethereum を手に入れたい、だったので目的は達成されたのだが、少額とはいえ詐欺者にお金を払ってしまったことはモヤモヤした😕

詐欺者からすると、騙そうとしてなかった層が釣れちゃった、みたいな感じだろう👽

ちなみにその時に詐欺かを見極めるために ROI を管理する Webサービスを作って公開したところ、外人からこれとこれとこれは詐欺みたいなフィードバックをもらった経験があって、その後はアプリとかを英語で作って公開するというのを始めるようになったのであった🧚🏻‍

ポンジ・スキーム

ポンジ・スキームとは詐欺の一種だ。出資金や投資元本を自転車操業的に配当に回すことで、あたかも利益が出ているように見せかける詐欺のことだ。会員や投資が増え続ける限り、外から見ると自転車操業なのか儲かっているか区別がつかないことが特徴だ(時間が経たないとほぼ分からない)。ほとんどの HYIP はこのスキームを使っている。日本でもポンジ・スキームを使った詐欺事件は何度も起きてる。考えれば、仮想通貨のマイニング詐欺とピッタリの手法だ。

その手の人からは激しく怒られそうだが、個人的には、年金は絶対に破綻しないポンジ・スキームで、株式市場もみんなが大丈夫だと信じ込んでいるポンジ・スキームだと思っている。年金はよく言われるしイメージしやすいけど、最近思うのは株式市場も似てるのでは?ということで、これは別の機会に書いてみたい。

ポンジ・スキームについては、アルバニア が大多数の国民を巻き込んで破綻しているのが興味深い。アルバニアという国自体も面白い。いわゆる観光としていくと恐らくとてもつまらないが、知的好奇心がかきたてられて行くならば背中を押したい。首都ですら英語話者が恐ろしく少ないので、フライトの時間には気をつけた方が良いかも。(治安はとても安全)

アルバニアについての記事を書きました。

アルバニアに行った時のこと
東ヨーロッパに位置するアルバニア共和国を訪れたときに感じたことを書きました。あまり耳慣れない国ですが、近年まで鎖国していたという少し珍しい歴史を持つ国です。

こんなのすぐ気づくでしょ?と思うけど、こう考えるとどうだろう。例えば、元本は25年後まで絶対引き出せないが、それまで年利3%を約束しますというポンジ・スキームは、仮に新規加入者がいなかったとしても23年目ですらまだ詐欺とわからないのだ ( 1.03 ^ 23 – 1= 0.97 )。配当があればどんどん加入者が増え、それにつれて信用も増していくので更にわけがわからなくなる。ターゲットを想像して欲しい。自分で運用して5%の利益を出したいが、確実に3%の方法があるなら…という人なら入りそうな気がしないだろうか?

AWS のスポットインスタンス

攻殻機動隊のSAC2だったと思うけど、こんなシーンがあった。銀行預金者の利息の1円未満の端数だけを掠め取れば、預金者は気づくこと無く膨大な資金を調達できる、と。元ネタは小説らしい。

この話を聞いた時、確かに!😳 と思った。実現可能性かはおいておいて。(違法なのでダメです🙅‍)

このことはずっと、境界で切り捨てられる何かに使えそうだなーと思っていたら、AWSで使える場面が出てきた。

当時の AWS は1時間以内の強制終了に対して課金されなかったので、下限ギリギリを狙って入札しておくと、運がよいと30分使ったけど無料、みたいな感じのルールになっていた。これを狙って全リージョンで入札する処理を実装してみたところ、割と機能した。値上がりしないと通常通り課金されるが、当時のスポットインスタンスはオンデマンドの 90% オフくらいだったので、それでもギリギリ利益が出るくらいだった。

当時似たような話で、GCP の無料枠でマイニングする人が増えて、無料枠でマイニングが行われていたら即アカウント停止みたいな事が起きてたらしい。どうやらみんな同じことを考えるようだ🤐

その後、 Deep Learning が流行り始めてスポットインスタンスの割引率はかなり悪くなってしまったのとマイニング難易度が上がりすぎたため、すぐにペイしなくなってしまった。そもそも割高なAWSですら利益が出ていた事自体が歪みだったといえる。

まとめ

とりあえず、「うまい儲け話」なんて絶対にないので、知らなかった人は気をつけましょうということだけは伝えたいです。(僕みたいなカモにならないよう😅)

HYIP に関しては、ネットで検索するとサクラがたくさんいるので、検索する前に自分で判断しましょう。よく考えなくても詐欺のビジネスモデル的にそうなりますよね。

ただ、 Bitcoin に関連した詐欺については参加した全員が利益を得ているところから学べることがあります。騙した側は、もちろん利益を得たでしょう。騙された側も、Bitcoin がものすごく値上がりしたので、当時目減りしてしまったものを保持していたとしたら結果的には騙した側より遥かに大きな利益を得ることとなったはずです。何が言えるかというと、急成長している分野というのは、そこにいるだけで得をする可能性が高いということです。

(人を騙してはいけません、というのは当たり前すぎるので割愛です)

この「うまい投資のリターン」についてはとても面白くて、もし仮に論理的に年利10%儲かる仕組みがあったとすると、みんながそこにお金を突っ込むので、やがて市場平均(インデックス)のリターンが10%に近づき、「うまい投資」ではなくなります。つまり、インデックスに自分のお金を入れてさえおけば、やがて自分のリターンもやがてそこに近づくのです。つまり、「うまい投資」に乗っかる必要はないのです。

長期に渡ってインデックスを上回る運用が出来るアクティブファンドがほとんどいないのも、これが原因の一つと言われてるみたいですね。

僕が思ったのは、面白そうな技術だけでなくカオスなことに足を突っ込んでみると、予想外の発見もあるのだなと思った。良かったのは、ビッグウェーブがきた時には既に飽きてたことだ。僕の性格的に、あの時に興味が持続してたら、値動きが気になって生活に支障が出てたかも🤯

これからも、「歪み」や「希少性」に足を突っ込んでいきたい。

ブロックチェーンの未来

ここからは自分の考えだけど、技術的には世の中の仕組みを変えていくとは思うけど、思うよりも時間はかかりそうだなという気がしている。

エンジニア視点で見れば、しかるべき情報がオープンな前提で、履歴の書き換え不可能性やトランザクション正当性の検証などが(日本語でなんと言うのか知らんが)暗号化的計算により証明可能というだけで信用が出来る。

しかし、世の中の大半の人にとってそんなことはどうでも良いしつまらないので、みんなが信用出来ると言っているから信用出来そう、というレベルにならなければ価値あるものと認められないのではない気がしている。

本質を見れば、"信用に足らない"人間が’"信用出来る"システムを構築することが可能であることがすごいと思うけど、それが"信用できる"と広く認識されない限りは誰も使わない=意味がないのだ。

ブロックチェーンに限らず、どんなに良いものも価値を理解して使ってもらえなければゴミと一緒なので、当たり前といえば当たり前なのだが。

ブロックチェーンに限らず世の中の流れが「信用」に急速に移行しつつあるので、気づいたときにはブロックチェーンがもう世の中に浸透してた。という未来はすぐ来るかも知れない。信用の加速装置みたいになるのかも。

そんな未来を早く見てみたいし、作ってみたい気もする。

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